布志名焼(ふじなやき)歴史は舩木家の歴史でもあり、約300年を誇ります。江戸時代の中頃、舩木与次兵衛村政が布志名の地に移り住み、その3人の子どもがそれぞれ窯元を成し、これが布志名焼の始まりです。正式に窯らしくなったのは1750年を過ぎたあたりからで、そのうちの一家が1845(弘化2)年に分家して開窯したのが現在の舩木窯です。初代が舩木平兵衛、二代・浅太郎、三代・浅太郎雲平、大正時代には四代・道忠(みちただ)へと続きます。このように直系で続く島根の窯の中では、一番旧い窯だと言われています。当時、流通の中心を担っていたのは海上輸送でした。舩木窯がある宍道湖の入江は船着き場となっていて、布志名焼のやきものもここから全国へ出荷されていました。