天明8年(1788)からの長崎への旅行で、司馬江漢は道中で出会った人々にこの銅版眼鏡絵を見せてまわっている。たとえば、ある人足にこの両国橋図などを見せたが、あきれて本気にしなかったという。銅版の細かな描線で描かれた江戸のにぎわいは当時の地方の人々にとっては驚き以外の何物でもなかったろう。なおこの銅版画の欧文題「TWEELANDBRUK」は「両国橋」をやや強引にオランダ語訳したものである。反射式眼鏡絵として制作されたので左右反対の構図となっている。
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