Ría de A Coruña from the lighthouses of Mera(2021)Regional Government of Galicia
「イギリス人の道」と呼ばれる道は、中世に発展しました。ヨーロッパ中、特に大陸の大西洋側からの巡礼者は、居住地に応じて、最も便利な場所にある港から船で旅をし、イベリア半島に直接到着しました。
Tower of Hercules(2nd Century)Regional Government of Galicia
主な下船場所の1つは、ガリシア北岸の港、特に、ア・コルーニャでした。その後、陸路でコンポステーラへ巡礼を続けました。イギリスからの巡礼者が、おそらくこの巡礼の道を最もよく使う巡礼者だったので、現在のような名前が付けられました。
Ferrol estuary(2021)Regional Government of Galicia
20世紀後半以降、この道を選択する巡礼者の大多数は、ア・コルーニャまたはフェロルから出発し、陸路でのみ巡礼します。どちらの道も、サンティアゴから41kmのブルーマの現在のアルベルゲの近くに繋がっています。
ア・コルーニャから
ア・コルーニャは、古くから、巡礼用の素晴らしい港でした。巡礼者は、ローマ時代が起源の灯台であるヘラクレスの塔が見えるのを最も待ち望んでいました。これは、危険な航海の終わりを意味したのです。
Porta do Parrote, wall of A Coruña(2021)Regional Government of Galicia
ア・コルーニャの港、オ・パローテが下船場所でした。陸地に着くには、町の防御壁の門を通らなければなりませんでした。現在、ア・コルーニャから始まるイギリス人の道は、この古い港の名前が付けられたこの門から始まりますが、現在、この港はもうありません。
Church of Santiago in A Coruña(12th Century)出典: S.A. de Xestión do Plan Xacobeo
以前は港の横にあったサンティアゴ教会は、巡礼者が無事に旅を終えたことに対する感謝の気持ちを使徒に伝えた場所でした。画像では、入り口の門の使徒ヤコブとサン・ファンの姿が見られます。
Church of Santiago de A Coruña(12th Century)Regional Government of Galicia
13世紀に始まったこの寺院は、町の巡礼の歴史の証人です。その内部は、数世紀に渡る、コンポステーラへの巡礼の重みを今でも思い起こさせます。
Sculpture of Santiago el Mayor(12th Century)出典: S.A. de Xestión do Plan Xacobeo
内部には、巡礼者がコンポステーラ大聖堂で抱擁するものと非常によく似た、この14世紀のヤコブの絵もあります。象徴的に、それは「ヤコブの地」に到達したという意味でした。
Galleries on Avenida de la Marina in A Coruña(2021)Regional Government of Galicia
おそらく、イギリス人の巡礼者は、現在は存在しない中世のサン・ホルヘ教会から、サンティアゴ巡礼の道を歩み始めたのでしょう。この聖人は、14世紀以降、イギリスの守護聖人であったからです。
オ・ブルゴ河口は巡礼者の到着する場所で13世紀にア・コルーニャ港に到着するようになるまで、続きました。写真では、現在のイギリス人の道から、オ・ブルゴ河口が見えます。
Church of Santiago do Burgo(12th Century)Regional Government of Galicia
オ・ブルゴには、使徒ヤコブに捧げられた中世の別の教会があります。これも、この飛び地がサンティアゴ巡礼で通る道であることを思い出させているようです。現在のイギリス人の道は、このロマネスク様式の教会の横を通ります。
ア・コルーニャからイギリス人の道で特に興味深いのは、コンポステーラへの行程における古い休憩場所であるシグラスです。サンティアゴにある教会と現在の牧師館がそれを思い出させ、後者は、中世には巡礼者用の病院でした。
フェロールから
フェロールの河口と港は、中世以来、巡礼者の下船場所でもありました。現在の巡礼者は、この町から113km離れたサンティアゴ大聖堂まで歩きます。
Monastery of San Martiño do Couto(12th Century)Regional Government of Galicia
巡礼者は、フェロールの町を出ると、すぐにイギリス人の道の偉大な修道院群の1つである、中世のサン・マルティニョ・デ・シュビア修道院に到着します。
Pontedeume and estuary of Ares(2021)Regional Government of Galicia
道は、中世起源のポンテデウメ橋を通り、ベタンソスに向かって進みます。その中には小さな巡礼者用の病院がありましたが、現在はもうありません。サンティアゴ巡礼におけるこの施設の重要性が見られます。
コンポステーラへの他の道と同様に、この巡礼の道にも、巡礼の聖母に捧げられた教会があります。ノサ・セニョーラ・ド・カミニョは、16世紀に始まり、当時、巡礼者用の病院が置かれた場所で、ベタンソス市の近くにあります。
Hermanos García Naveira square in Betanzos(2021)Regional Government of Galicia
ベタンソスは、フェロールからのイギリス人の道の主要な町です。サンティアゴ教会、サンタ・マリア教会、サン・フランシスコ教会は、ガリシアで最も優れた史跡群の1つです。ダス・マリーニャス博物館は、巡礼により生まれた作品を所蔵しています。
Doorway of the church of Santiago de Betanzos(2021)Regional Government of Galicia
べタンソスのサンティアゴ教会の門には、独特な中世のティンパヌムがあり、これは、使徒ヤコブが、イスラム教徒対して百人の乙女を捧げるという義務からキリスト教徒を解放した後の使徒ヤコブを表しています。
ブルマからサンティアゴへ
ブルマ病院に到着する少し前、サンティアゴから40kmの所で、ア・コルーニャとフェロールからのイギリス人の道が合流します。
Hermitage of San Lorenzo in Bruma(2021)Regional Government of Galicia
中世にはこの地域を横断することは非常に危険だったようです。そのため、礼拝堂が保存されている巡礼者用の病院が設立されました。
Pilgrim's hostel of Poulo(2021)Regional Government of Galicia
現在、イギリス人の道には、巡礼者のための公共および民間のアルベルゲのネットワークがあります。これらは、伝統的な巡礼者へのおもてなしの一例です。コジモ3世・デ・メディチが、サンティアゴへの巡礼中、1669年に、彼の側近を止めさせた場所、ポウロ(オルデス)のアルベルゲの写真。
Bridge over the Tambre river in Sigüeiro(2012)出典: S.A. de Xestión do Plan Xacobeo
この道には、様々な歴史的な橋が点在しています。最も重要な橋の1つは、中世起源のシグエイロのタンブレ川に架かる橋です。サンティアゴからわずか16kmで、現在も使用されています。
イギリス人の道は、人々が住んでいる地域を通るにもかかわらず、素晴らしく美しい風景があります。最良の例の1つは、サンティアゴの近くにあります。完全に孤立した空間とあらゆる種類の刺激的な時間を組み合わせた、樹木が茂った地域です。
Church of San Martiño Pinario(1590)Regional Government of Galicia
この道は、古い中世の城壁の入り口の1つである、ポルタ・ダ・ペナを通り、歴史的な街サンティアゴ・デ・コンポステーラに入ります。大聖堂に到着するまで、その名前の通りに沿って、サン・マルティーニョ広場、ア・インマクラーダ広場に向かって進みます。
Pilgrims in Santiago de Compostela(2007)出典: Axencia Turismo de Galicia
今日は、昨日と同じように、イギリス人の道を旅する人の巡礼は、コンポステーラ大聖堂で終わります。巡礼の普遍性を、例外的に表す、海上・陸路の道です。