クライアント企業による出身地への文化貢献の想いを受けた調和と平和をテーマとする美術館に対し、円形が揺れ動きながら連続し、内外が一体的に展開する建築を安藤はデザインした。
円形モチーフには、漠然とした敷地に中心をつくりだすこと、そして同地に息づく嶺南文化の大陸的な力強さを体現したいとの想いが込められている。
和美術館(2020) - 作者: 安藤 忠雄出典: Tadao Ando Architect & Associates
展示室が収められた円形棟と、特別展やイベント用の大ホールを収めた方形の低層部分が重なり合い、全体を構成する。
円形棟は各層が高さや重心をずらしながら積層し、渦を巻きながら中心から周辺へと広がるかのような動きを感じさせる。
和美術館(2020) - 作者: 安藤 忠雄出典: Tadao Ando Architect & Associates
厳しい日差しから展示物を守るためのルーバーが取り付けられた外観。繊細なルーバースクリーンによる柔らかな陰影が建物を包む。
和美術館(2020) - 作者: 安藤 忠雄出典: Tadao Ando Architect & Associates
円形棟の中心には5層吹き抜けのアトリウムがあり、印象的な二重らせん階段が人々を各部屋へと導く。
和美術館(2020) - 作者: 安藤 忠雄出典: Tadao Ando Architect & Associates
トップライトから差し込む光が、滑らかな表情をしたコンクリートに降り注ぐ。時とともに移り変わる光と影。
和美術館(2020) - 作者: 安藤 忠雄出典: Tadao Ando Architect & Associates
和美術館(2020) - 作者: 安藤 忠雄出典: Tadao Ando Architect & Associates
和美術館(2020) - 作者: 安藤 忠雄出典: Tadao Ando Architect & Associates
敷地内の屋外部分は、人々が憩える空間として計画され、建物と同じ円形をモチーフとしたランドスケープが広がる。
建物の足元に広がる水盤は厳しい暑さのなかで人々に涼を与えるとともに、上部の幾何学的なボリュームが映り込む自然の台座として位置付けられている。
和美術館(2020) - 作者: 安藤 忠雄出典: Tadao Ando Architect & Associates
シンプルな幾何学の空間が、立体的に交差して生まれる場所の躍動感を安藤はつくり出した。
執筆:川勝真一
編集:和田隆介
ディレクション:neucitora
監修:安藤忠雄建築研究所