2011年3月11日、南三陸沖で発生した規模マグニチュード9.1の地震、またそれに伴う津波は、東北地方に甚大な被害をもたらしました。こちらでは、ハーバード大学在学生及び卒業生が東北地方で参加した復興支援活動や、彼らの被災地に関する研究活動について紹介しています。

A pile plastic bags full of soil contaminated with radioactive materialsEdwin O. Reischauer Institute of Japanese Studies, Harvard University

In the winter of 2016...
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2016年冬、私は福島県庁主催のスタディーツアーに参加しました。2つの高校から参加した生徒約20名とともに、「帰還困難区域」(放射線の年間積算線量が相対的に高く、居住が制限される区域)を含む、福島県内の被災地や様々な施設を訪れました。また、地元自治体のトップの方々と交流する機会もあり、東日本大震災による影響と復興の様子についてお話を伺いました。

An Abandoned HouseEdwin O. Reischauer Institute of Japanese Studies, Harvard University

My visit to Fukushima...
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私が福島県を訪れた際は、東日本大震災発生から5年以上も経っていましたが、未だに震災による傷跡は深く残されていました。海岸に残された瓦礫の山、放射能により汚染した土が詰められた袋の山、また帰還困難区域内の閑散とした家屋など、こういった現状をメディアが取り上げる事は少なくなったものの、今もなお、震災による影響は続いているという事を実感しました。

Participants of the Study Tour in the Naraha Center for Remote Control Technology Development (NARREC)Edwin O. Reischauer Institute of Japanese Studies, Harvard University

I remain very thankful...
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また実際に被災地を訪れ、地元自治体のトップの方々からお話しを伺う機会を頂けたことに感謝しております。お話を伺った方々の多くは、震災により大切な家族や財産を失ってしまいました。困難な状況下であったにも関わらず、お話を伺った方々による復興への強い気持ちと地元愛により、震災後、被災地から離れた住民を呼び戻す新たな取り組みが開始されました。原発事故の責任問題等に関しては、お話を伺った方々の間で見解が分かれることも多々ありましたが、郷土料理でもてなして頂き、住民の方々の明るさに感銘を受けました。

Participants of the Study TourEdwin O. Reischauer Institute of Japanese Studies, Harvard University

My experience during the tour...
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今回の限られたスタディーツアーを通し、福島の復興への道のりについて、直ちに全てを理解することはできないにしても、復興に向けた努力に対しての認識が大きく変わりました。特に、ニュースの見出しや大きな政策の背後には、人々の強い思いが存在するということです。私たちは、当事者の方々の「声」に耳を傾ける事で、この問題を自分の事として捉えることが出来るのではないのでしょうか。

スタディーツアーに参加後は、東日本大震災、また自身が高校時代を過ごした神戸を襲った阪神淡路大震災に関する展示会を開催する活動に参加しました。これらの活動は、被災された方々の言葉を残し、伝えていく事を目的としています。ハーバード大学の一員として、災害を通しての教訓や被災地が困難から立ち直る様子を伝えていく事で、今後も日本と世界を繋ぐ活動に貢献していきたいと考えています。

Satoshi YanaizuEdwin O. Reischauer Institute of Japanese Studies, Harvard University

略歴

柳津聡さんは、ハーバード大学で相関社会科学を専攻する2年生です。アジア太平洋地域の地政学や政治哲学に関心を持っています。出身は大阪、神戸の灘高校に通われていました。灘高校では、生徒主体による「東北企画」という活動が行われ、東北を訪れた生徒たちにより、毎年、復興の様子を伝える展示会が開催されています。

提供: 全展示アイテム
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