美の壺：弁当

小さな入れ物に、ご飯やおかずを詰めて持ち運びする食事、弁当。学校に、仕事に、旅行に、観劇に…いろいろな食事シーンに合わせて、いろいろな弁当があります。

幕の内弁当の起源は江戸時代。歌舞伎の、幕と幕の間に食べたことから「幕の内」と名付けられたと言われます。　　

昭和初期、大阪で革新的な弁当が登場します。考案したのは料理人・湯木貞一。十字に仕切られた箱の中には、風合いの異なる四つの料理。懐石料理の献立を、一箱に凝縮しました。

北から南まで、日本には多くの駅弁があります。

その土地ならではの味が、旅を特別なものにしてくれます。

益子焼の土釜に入れられた駅弁「釜めし」。温かく家庭的な釜めしは、1958年に発売されると、画期的なお弁当として人気を呼びました。

酢でしめたますと酢飯を笹の葉でくるみ、重石でなじませた押しずし。 富山県の郷土料理。

かにを炊き込み、かに身とはさみで盛り付けた駅弁。楽しいかに型の器で。

若狭湾近海で取れる鯛を薄塩で締め、すし飯と合わせた駅弁。