信仰の寓意(ca. 1670-72) - 作者: ヨハネス・フェルメールThe Metropolitan Museum of Art

ヨハネス フェルメールが描いた数少ない宗教画の 1 つである本作品では、描かれた女性がカトリック信仰を象徴しています。

リアルなオランダの地球儀を足で踏みつける姿は、17 世紀に全世界へ浸透していたカトリック宗教の支配を表しています。

女性は天井からリボンで吊るされたガラスの球体を見上げています。こういった装飾品は、実際に当時のオランダの家庭でよく使用されていたものです。当時の人々が魅力を感じたのはガラスの反射でしたが、この絵では天国を表すものとして描かれています。

手前ではヘビ、つまり悪魔が、キリストを象徴する岩に押し潰されています。キリストは「教会の礎石」であると考えられていました。

ここではキリストが人類の罪を償うために命を捧げ...

...その原罪が、床に転がるリンゴによって象徴されています。

そして女性のそばには、ミサでの祈りが記された典礼書が置かれています。

プロテスタントを正式な国家宗教として定めていた当時のオランダにおいて、カトリック信仰を示すこうしたものが一般人の家に見られたというのは実に興味深いことです。
実際に当時のオランダの家庭でもそのとおりだったようです。当時の行政はカトリック教徒に信仰を表には出さず私的な空間で行うことを求めていたため、家庭内で祈りをささげるのが通例でした。

また、この絵には中世風のタペストリーが描かれています。脇に引かれたカーテンは、見る者のいる空間の奥にさらに特別な空間があってそれを覗き見ているという印象や、現実的ではないものあるいは人知を超えたものを見ているといった印象を抱かせます。

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