スペイン料理と日本料理の類似点

Editorial Feature

作成: Google Arts & Culture

Words by Yoshihiro Narisawa

Tsubaki & Kojiスペイン王立ガストロノミー学会

成澤由浩シェフが語る、スペインが故郷を思い起こさせる理由

スペインはヨーロッパの中でも、日本との繋がりの多い国だと感じます。私は今まで、世界の様々な国を訪れましたが、いつ訪れても、なにか懐かしいような気持ちにさせる…スペインはそんな場所です。

地球のほぼ反対側にありながらも、似ているところが多いスペインと日本。南北に細長い地形をもつ日本は、地方、地域、更には日本海側、太平洋側によって食の特徴が異なるほど、食のバラエティに富んでいます。

スペインは、日本のような地形ではありませんが、北部と南部、そして中部、また大西洋側と地中海側。それぞれの地方・地域によって特徴のある食文化をもっているという点においては、日本と共通する部分が多いのではないかと感じます。

Tsubaki & Koji (From the collection of Real Academia de Gastronomia)

かつて、バスク地方を冬に訪れた時のこと。漁師さんたちが、釣り上げた魚を海岸で炭火焼きにしていました。朝もやが残る海岸、そして焦げた魚の香り。この光景を目にした時、一瞬、自分が日本にいるのではないかと錯覚しました。

私が良く訪れる、富山県、石川県、福井県など、魚介類が豊富な日本海側の海岸で見たことがある光景だったからです。

食材が持つ味を大切にし、余計な手を加えないシンプルな料理。それは、スペインと日本の共通点でもあります。

Soil Soupスペイン王立ガストロノミー学会

Soil soup (From the collection of Real Academia de Gastronomia)

スペインと日本に共通する多様な感覚…だからこそ、スペインと日本の食は、互いに刺激し合い、良い影響を与えてきたのではないでしょうか。

日本人の料理人として、私は日本の食を世界に発信していきます。
そして、私の独自のジャンルである"イノベーティブ里山キュイジーヌ"を、スペインという国、そして人々は、きっと理解してくれることと信じて。

Yoshihiro Narisawaスペイン王立ガストロノミー学会

Yoshihiro Narisawa (From the collection of Real Academia de Gastronomia)

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