野外彫刻展『天空海闊』

「神宮の杜芸術祝祭」のメイン企画として、3つの美術展を開催します。その第1弾として3月20日からは、この神宮の杜を舞台に、はじめての野外彫刻展がスタートしました。4人のアーティストが神宮の杜各所に立体作品を展示しています。

明治神宮神宮の杜芸術祝祭

野外彫刻展�『天空海闊�』

「天空海闊(てんくうかいかつ)」とは、果てしなく続く空、快晴の空へ向かって、大らかに広がることを意味します。展示される現代アートの野外彫刻作品は、4人のアーティストが何度も明治神宮を訪問し、設置場所に足を運び、明治神宮の歴史や文化を理解し、尊敬や畏怖の気持ちを持って制作したものです。杜の中にひっそりと置かれた芸術作品は杜の木々と対峙し、呼応します。神宮の杜の中で、新しい芸術作品との出会いをお楽しみください。

名和晃平(名和晃平)神宮の杜芸術祝祭

名和晃平

彫刻家/SANDWICH Inc.主宰/京都造形芸術大学教授 1975年生まれ。京都を拠点に活動。2003年京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程彫刻専攻修了。2009年、京都に創作のためのプラットフォーム「SANDWICH」を立ち上げる。独自の「PixCell」という概念を軸に、様々な素材とテクノロジーを駆使し、彫刻の新たな可能性を拡げている。近年は建築や舞台のプロジェクトにも取り組み、空間とアートを同時に生み出している。2018年、フランス・ルーヴル美術館にて彫刻作品“Throne”を特別展示。2015年以降、ベルギーの振付家/ダンサーのダミアン・ジャレとの協働によるパフォーマンス作品“VESSEL”を国内外で公演中。

White Deer (Meiji Jingu)(2020) - 作者: 名和晃平神宮の杜芸術祝祭

White Deer (Meiji Jingu)

鹿は古来から「神使」や「神獣」として、アニミズムや神道などの信仰のなかで親しまれて来た。近年、日本では鹿が増え続けており、人里に時々現れる鹿は「迷い鹿」と呼ばれる。“White Deer”はインターネット上に現れた鹿の剥製を取り寄せ、3Dスキャンして得たデータを元に制作された。宮城県石巻市で開催されている芸術祭『Reborn-Art Festival』では、復興を願う象徴として牡鹿半島・荻浜の海辺にWhite Deerが立っている。神使が呼び寄せられたかのように、White Deerが姿を変えて明治神宮の杜に現れ、鎮座百年を祝福し訪れる人々を出迎える。

White Deer (Meiji Jingu)(2020) - 作者: 名和晃平神宮の杜芸術祝祭

White Deer(Meiji Jingu)(2020) - 作者: 名和晃平神宮の杜芸術祝祭

松山智一(松山智一)神宮の杜芸術祝祭

松山智一

1976年東京都/岐阜県出身。上智大学卒業後2002年渡米。NY Pratt Institute を首席で卒業。ペインティングを中心に彫刻やインスタレーションも手がける。世界各地のギャラリー、美術館、大学施設等にて個展・展覧会を多数開催。また、アメリカ西海岸最大の美術館Los Angeles County Museum of Art (LACMA)、Microsoftコレクション、ドバイ首長国の王室、銀行Bank of Sharjahのコレクション、サンフランシスコのアジアンミュージアム等に、松山の作品が多数収蔵されている。現在はニューヨークにスタジオを構え、活動を展開している。

Wheels of Fortune(2020) - 作者: 松山智一神宮の杜芸術祝祭

Wheels of Fortune

今を生きるアーティストとしてのリアリティと、国際言語としての日常をクロスオーバーさせた、2.6x4mのモニュメント彫刻の作成。鹿の角を単体で鎮座させ、その形態は荘厳な森の木々をオマージュしながらも、万物を映すという神道の哲学に基づき、鏡面に仕上げている。車のホイールを銅鏡に見立て、組み合わせた本作品は、現代における同時代性と、古来より存在する普遍性を抽象的に表現している。

Wheels of Fortune(2020) - 作者: 松山智一神宮の杜芸術祝祭

Wheels of Fortune(2020) - 作者: 松山智一神宮の杜芸術祝祭

船井美佐(船井美佐)神宮の杜芸術祝祭

船井美佐

1974年 京都府生まれ。2001年 筑波大学大学院芸術研究科日本画修了。二次元と三次元の「境界」をテーマに、線描によるドローイングや、鏡やシェイプドキャンバスを用いたインスタレーションの作品を制作する。物質としての絵画と、非物質的なイメージについて考え、平面や立体という形式を超えて絵画の可能性を拡張する。近年は「楽園」を鏡で描くシリーズで、鑑賞者が作品の中に入り込み、過去と現在、想像と現実が交差する作品を展開する。2009年・2010年「VOCA現代絵画の展望」上野の森美術館。個展「Paradise/Boundary〜いつかいた場所〜」国際芸術センター青森、など。

Paradise/Boundary –SINME-(2020) - 作者: 船井美佐神宮の杜芸術祝祭

Paradise/Boundary –SINME-

本作品は神馬を神社に奉納する絵馬の風習と明治天皇の愛馬金華山号から馬をモチーフに描いている。明治の近代化によって現代の基礎が作られ日本の絵画も東洋の様式から西洋的な文化を取り入れ大きく変化した。100年が経ち、森は大きく育ち、江戸から東京へと都市は発展した。それらの歴史を振り返り、想像上の馬が森に出現することによって、ここからまた100年後の新しい未来に想いを馳せる場としたい。

Paradise/Boundary –SINME-(2020) - 作者: 船井美佐神宮の杜芸術祝祭

Paradise/Boundary-SHINME(2020) - 作者: 船井美佐神宮の杜芸術祝祭

雪が積もった《Paradise/Boundary-SHINME》。

三沢厚彦(三沢厚彦)神宮の杜芸術祝祭

三沢厚彦

1961年、京都府生まれ。1989年、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。2000 年、動物の姿を等身大で彫った木彫「Animals」を制作開始。同年より西村画廊(東京)で個展開催。2001年、第20回平櫛田中賞受賞。2007‒08年、平塚市美術館など全国5館で巡回展開催。以後、各地の美術館で個展を多数開催。近年の個展に2017年の松濤美術館、2018年の横須賀美術館、富山県美術館など。2019年、第41回中原悌二郎賞受賞。現在、武蔵野美術大学教授。神奈川県在住。

Animal 2012-01B(2012/2019) - 作者: 三沢厚彦神宮の杜芸術祝祭

Animal 2012-01B

「動物」と一口に言っても、私たちの概念には、例えば獣としてのそれだったり、物語の登場人物のような架空の存在としてのそれだったりと、様々な様相が混在している。それらの内のどれでもなく、もしくはどれでもあるようにも見える彼の彫刻は、我々の内側に在る「Animal」という概念をそのまま抽出したかのようである。

Animal 2012-01B(2012/2019) - 作者: 三沢厚彦神宮の杜芸術祝祭

Animal2012-01B(2012/2019) - 作者: 三沢厚彦神宮の杜芸術祝祭

提供: ストーリー

神宮の杜芸術祝祭
明治神宮鎮座百年祭

参考ページ
明治神宮
神宮の杜芸術祝祭

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