スペインの「食」の地図

作成: スペイン王立ガストロノミー学会

スペインは、さまざまな歴史、風景、文化が融合された国であり、これらすべてが音楽、芸術、文学、そしてもちろん食文化に大きな影響を与えています。

たとえば、肥沃な土地から壮大な山岳地帯に至るまで、スペインの風景や自然環境は食文化を語るうえで欠かせない要素です。

約 1,200 km に及ぶ海岸がカンタブリア海と大西洋に面しているガリシアでは、漁業資源がきわめて重要な地位を占めています。ガリシア料理の 2 大王者とも言える食材は、ともに海産物であるタコとムール貝。入り江の多いガリシア沿岸部は、世界最高の生産量を誇るムール貝の産地となっています。

ナバラ: スペイン最大の野菜栽培地帯のひとつであるナバラは、トマト、エンドウ豆、カルドン、チャードなどの野菜を全国に供給しています。しかし「最も優れた」品質を示すラベルが貼られる製品は、ロドサのピキーリョ ペッパー、トゥデラのアーティチョーク、ナバラのアスパラガスの 3 つのみです。

スペインに根差したさまざまな文化もまた、食文化に足跡を残しています。

バレアレス諸島の食文化は、さまざまな国の支配下に置かれた歴史を反映するものとなっており、料理にも食材にもフェニキア、ギリシア、イギリス、フランスの影響が見られます。バレアレス諸島最大のマヨルカ島は、風味の強いソーセージ「ソブラサーダ」や、「エンサイマーダ」という甘いペイストリーが有名で、どちらも品質認定付きで出荷される特産品です。

アラブ民族がスペインに残した影響を理解することなく、スペインのデザートについて語ることはできません。バレンシア地方を代表する「トゥロン」(いわゆるヌガー)をはじめ多くの伝統菓子に使われているアーモンドも、イスラム勢力のイベリア半島征服に伴ってスペインにもたらされ、一般的になった食材のひとつです。ヒホナのトゥロンは粉状のアーモンド、アリカンテのトゥロンは粒のままのアーモンドを主原料としています。

バレンシア地方は、最も有名なスペイン料理のひとつが生まれた土地です。今や世界中に広まり人気を博すパエリアですが、本場のバレンシア風パエリアは、アルブフェラ地域から最高の食材を集めて米と一緒に炊き上げます。一般的な材料は、ライマメ、インゲンマメ、パプリカ、トマト、サフラン、鶏肉、ウサギ肉で、カタツムリを入れることもあります。バレンシアの白い穀物、つまり米は 8 世紀にアラブ人によって持ち込まれ、今ではこの地域の特産品となっています。

こうして私達は、一口ごとに歴史を味わいます。この国の最も有名な食材や料理の多くが、スペインの輝かしい歴史の物語を語ります。

オリーブ栽培の歴史はきわめて古く、初めて恒常的な栽培が行われるようになったのは約 6,000 年前と言われています。オリーブの木とオリーブオイルは、地中海世界の文化と宗教の両方において、平和の象徴や浄化の要素として、また実用的な面からも重要な役目を果たしてきました。

料理史の研究家によると、ローマの兵士たちが油や酢、ニンニク、パンを混ぜて作っていたものがガスパチョの起源とされています。そのスープには、田舎の屋外で長時間働く人々のために、元気を回復できるような食材が使われていました。その後、アメリカ大陸の発見によってトマトが伝来すると、夏を彩るこのスープにも新たな色と風味が加わり、貴族や中流階級向けのメニューにも登場するようになったのです。

このしわの寄ったジャガイモはカナリア諸島で栽培されたもので、小さいけれど風味が良く、前菜やメイン料理の付け合わせとして出されます。アメリカ大陸からカナリア諸島にもたらされ、そこからイベリア半島に伝わった食品です。

このような彩り豊かな長い歴史を持つスペイン料理は、世界で最も革新的で先進的な料理でもあります。

今から 30 年前、バルセロナ県の小さな海辺の町サン ポル ダ マールの名を世界中の美食ファンに知らしめたのが、カルメ ルスカイェーダ氏です。生まれ故郷であるこの町にレストラン「サンパウ」を構えるルスカイェーダ氏は、ミシュランガイドで計 7 つの星を獲得している唯一の女性シェフでもあります。

レストラン「エルブジ」とフェラン アドリア氏: 小さなビーチバーから世界のメディアに賞賛される存在へとのぼりつめたレストランと、その料理長を務め、多くの人に世界一のシェフと評される料理人の歴史を辿りましょう。

1980 年代に、バスク地方を国際的な美食の街として位置づけることになった新バスク料理。その原動力の一端を担ったのが、フアン マリ アルサック氏です。フアン マリは 75 歳となった現在も、娘のエレーナとともに家業を営んでいます。

今日、スペイン料理は世界のインスピレーションとなっています。

成澤由浩シェフは、スペインは故郷を思い起こさせる国だと語ります。「数あるヨーロッパの国々の中でも、スペインは日本との共通点が特に多いと感じます。これまでにさまざまな国を訪問しましたが、スペインには何か独特なものがあります。(...)スペイン料理と日本料理が互いに刺激し合い、相互に深い影響を及ぼしている背景には、スペインと日本の多様な共通点があるのではないかと考えています。」

スペインのデザートは、ラテンアメリカで幅広く人気を集めています。メキシコではチュロスが定番のお菓子として浸透しており、メキシコシティには 24 時間営業のチュロス店として名高い El Moro(1935 年創業)があります。チュロスはフルートのような形をした細長いドーナツの一種で、全面に溝が入っていることもあります。抗いがたい魅力の秘密は、油で揚げてあることと、出来たてのときのカリカリした食感。1 本では止まらないおいしさです。

スペインを象徴する味覚、人々、文化の融合についてもっと知るには、「スペイン: オープン キッチン」をご覧ください。

The food mapスペイン王立ガストロノミー学会

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