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本作品には、天平時代の風俗を示す女性が描かれています。忠夫は、東京美術学校在学中からこの作品を制作した頃まで、正倉院御物の研究を続けていました。衣服や調度の精密な表現には、そうした研究の成果が存分に発揮されています。よく観察された立葵や撫子の花も調和し、艶やかな印象の画面からは、天平文化の精華が匂うかのようです。北九州市出身の吉村忠夫は、松岡映丘に師事、東京美術学校で日本画を学びました。本図のような歴史風俗画を得意とし、官展を中心に活躍しました。
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