むかしヤマの人びと、3 『先やま』
炭たけ五尺以上(一・五㍍)あれば高層の部で立ち掘りがされる、
つまり、ツラドリでは能率はゼロであるから、軟い部分を
スカシこむ、成可中スカシが好調で深くスカシこんで下(シキ)イシ
を打ちあげ、次に上(ツリ)イシを叩き落す。
よって充分に腕力を発揮できるが 之又掘方に巧拙のある事は勿論である、
尚高層炭でボタを含まないキリタオシなれば無難であるが、ボタを含んでおる処
が中々多いので そのボタの撰別や掘出しに 昔の坑夫は苦労が多かったわけ。(ベテランは始終板目を出す)
石炭には板目柾目があって板目は軟く掘り安いが柾目は固く採炭困難である。
イタメ この目は傾斜の斜面に流れておるヤマが多い(筑豊では)
〽昇りや掘んなさんな、目に石がいる、
卸しや 掘なさんな 水が―つく、ゴットン