昔のヤマ人5
喧嘩の仲裁キッタ、ハッタの多いヤマ人も、騒いだあげく仲直りはある。
勿論ヤマのカオヤクが仲に入って和睦となるわけで、それには形式があった。
仲裁人が正座に坐し、本人を両方に坐らすと、盃を両手に持ち左右の手を交互にして一緒に差す、二回目には一方の腕を上下にとりかえて差す。
今度はオレにまかせてくれて誠に有がてー、万事水に流して以後水魚の交りをしてくれー
□すみませんはしたない私(オレ)の無分別から、ー
△いや私(オレ)の誤解からすまねえー
講和談判がすむと仲人が納めの盃を乾して ヨイヨイヨイと音頭をとり、一同拍手を三回する。やがて仲人は 半紙に塩を包み箸三本添え水に濡らして天井に投げつける。それが天井にくっついて目出度く親睦散会
此場合多く語らず 大酒せず永坐せず ソコソコにきりあげる。
関係者は同席なすもナルベク沈黙をまもる、