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阿弥陀三尊仏龕

不明659

京都国立博物館

京都国立博物館
京都市, 日本

中国で仏教がとくに盛んとなるのは南北朝時代以降のことだが、唐時代にもひきつづいて仏教が篤く信仰され、それにともない仏像の製作も盛んであった。南北朝時代の仏像は次第に中国的なものへと変化していき、容貌や着衣も漢民族風になっていった。それに対してこの時代は、玄奘(げんじょう)や義浄(ぎじょう)をはじめとするインドへ求法の旅に出る中国僧や、インド・西域(さいいき)からの渡来僧も多く、仏像の様式もインドのグプタ期やポスト・グプタ期の影響を受け、現実感のあるものへと変化した。その影響は日本にもおよび、天平彫刻として花開くこととなる。
 本仏龕は正面から右側面に刻まれた銘文によると、顕慶4年(659)に製作され、尊名は阿弥陀三尊であることがわかる。阿弥陀といえば親指と他指を捻じて定印(じょういん)や来迎印(らいごういん)を結ぶ姿をまずは連想するが、本像は中尊の阿弥陀如来が左手を地に付けた触地印(そくちいん)(降魔印(ごうまいん))を結んでいる。通常このかたちは釈迦が悟りを得るために修行していたさいに、悪魔をしりぞけるためにおこなった仕草に由来するもので、初唐期には阿弥陀の印相がまだ定型化していなかったことをしめすものとしても興味深い。

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