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隅田川両岸図

谷文晁江戸時代

群馬県立近代美術館

群馬県立近代美術館
Takasaki, Gunma, 日本

富士山を描いた文晁の作品は多い。本作品は、富士山と筑波山を左右に配し、中央に隅田川の雄大な姿をあらわしたものである。人々の生活の場である隅田川から展望できる富士と筑波は『万葉集』の昔から関東の二大名山とされている。文晁はこれら江戸の人々に親しまれた風景を俯瞰的にとらえ、広大な画面を構成しながら、雲の間から隅田川周辺を巧みに表現している。細かな描写により、待乳山(まつちやま)聖天をはじめとする実在の場所とともに、船遊びをする人々などを活き活きと描き出しているが、決して実景そのままではなく、実景と理想的な描写の巧みな融合がはかられている。これは、文晁が1804年から主君である松平定信の命を受けておこなった、中世の大和絵の名作である《石山寺縁起絵巻》の第六・七巻の補作によって学んだ、伝統的な大和絵の手法をふまえたものであるとの指摘もある。  なお、画面左下隅の款記(かんき)の書体から、文政年間(1818-30)の作であると考えられている。

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  • タイトル: 隅田川両岸図
  • 作成者: 谷文晁
  • 作者の生存期間: 1763/1840
  • 日付: 江戸時代
  • 実際のサイズ: 59.4×112.0cm
  • タイプ: 絵画
  • 媒体/技法: 絹本着色、軸装
群馬県立近代美術館

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