『平家物語』に語られる源平合戦の武勇伝やエピソードをもとに合戦を俯瞰的に描写する。左隻は寿永3年(1184)2月19日の屋島合戦。
一の谷と屋島合戦の組み合わせは、源平合戦図の中でも典型的なものだが、本図では人物を比較的大きく描きながら、群衆や船団の描写を随所に配置して、合戦のもつエネルギーの表現に努めている。なお両隻には狩野吉信の落款、印章があるが、喜多院所蔵「職人尽図屏風」を描いた吉信と同一人物とは考えられない。
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