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四季花鳥図屏風

雪舟15th Century

京都国立博物館

京都国立博物館
京都市, 日本

水墨画の巨人、画聖などと仰がれて人口に膾炙(かいしゃ)する雪舟(1420~1506?)。備中国(今の岡山県)に生まれた彼は、上京して相国寺に入り、禅と画業に励んだのち周防国山口に居を移した。その後、遣明使節団に加わって入明し、本場の水墨画に親しんだことが知られる。帰国後、その作画意欲はますます高まり、絵筆を携えて諸国を遊歴するなど旺盛な活動を展開した。
 本図はかなりの数が遺る伝雪舟筆花鳥図屏風絵群の中にあって、唯一、彼の真筆と目される作品である。両隻とも松や梅の巨木によって画面が支えられ、その周囲に四季の草花やたちが配されているが、まるで爬虫類のような松梅の不気味な姿とアクの強い花鳥の描写によって、画面には独特の重苦しい雰囲気がもたらされている。おそらく呂紀(りょき)の作品に代表される明代の花鳥図が参考にされたのであろう。狩野派や曾我派にも明代のそれに学んだ作例はあるが、本図のように中国画のもつ重厚感やアクの強さをダイレクトに表出したものは少ない。その点、本図の画風は当時の人々の目に斬新に映ったことであろうし、また同時に「入明画家・雪舟」の存在を強くアピールしたに違いない。
 口伝によると、文明15年(1483)石見益田家の当主・兼堯(かねたか)の孫、宗兼(?~1544)の襲禄祝いに制作されたとされるが、確証を得ない。

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