女性の美しい胴部を彫塑したようなボディス。スーパーリアリスティックな表現は、マネキン・メーカーの協力のもとに人体から鋳型をとって作られた。無機的なプラスチックが身体の弾力的な物質感を強調し、身体を隠しながらも艶めかしいまでに身体の存在を意識させる、三宅の1980年代を代表する作品である。
本品は80年秋冬パリ・コレクションのフィナーレで発表され、80年代のボディ・コンシャスなファッションの幕開けを宣言した。1982年には籐とビニール製のビュスティエ、1985年「シリコン・ボディ」などの一連の作品が発表され、それらは83年から85年にかけて世界各地で開催された「ISSEY MIYAKE BODYWORKS」展の中心的な存在となった。