天・地・人、各一二冊と巻子九巻で構成される軍書である。奥書によると、一部寛永二〇年(一六四三)の年記があるが、寛永一三年(一六三六)江上氏により模し継がれたとある。立花家にいつどのようにして入ってきたかは不明であるが、宗茂所用と伝わる武具のいくつかは、この軍書に記された仕様の通りに作られている。当時の武具のあり方の一側面を知る上でも興味深い資料である。その内容は、日・月・星・雲・風・水などの自然界の動きに吉凶を見る法、陣中で使用される道具の仕様、飾り方、使い方に神仏の加護を願い、勝機を呼び寄せる秘法、軍師張良の軍法に関わる書等、戦に関わるあらゆる事柄が記されたものとなっている。