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白地黒掻落牡丹唐草文瓶

不明11-12th Century

京都国立博物館

京都国立博物館
京都市, 日本

灰褐色の地土の上に、厚く白い化粧土を塗ってから鉄絵の具をかけ、部分的に鉄絵の具だけを掻き落とすと、黒い鉄絵の具と白い化粧土の対比によって文様が表現でき、その上から透明な釉薬をかけて焼き上げるという、非常に手の込んだ技法で作られている。この技法を白地黒掻落といい、釉薬の下に厚く白泥を施す手法は、中国北方系の窯では隋・唐時代以来伝統的によく用いられている。一方、鉄絵の具によって文様を表す作風は、中国北方系の窯の中では河北省(かほくしょう)の磁州窯(じしゅうよう)をはじめとする民窯に特徴的に認められるもので、中でも一度塗った鉄絵の具を掻き落とす手法は、北宋時代に流行したようだ。磁州窯を代表する窯である観台窯(かんだいよう)から、白地黒掻落で酷似した牡丹唐草文の施された陶片が出土しているので、本例も磁州窯産と目される。
 胴部のほぼ全面を覆い尽くしている牡丹唐草文は流麗で、いくつか知られている類品と比較しても、決して遜色(そんしょく)のない出来ばえを示している。

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