定窯は、宋時代随一の白磁の名窯として知られている。この作品は小さい高台をもち、薄く仕上げられた内面に、片切り彫りの牡丹文を配した典型的な定窯の白磁碗である。花弁や葉は細かい櫛描きで表現されており、優美な仕上がりとなっている。牡丹文は、色とりどりの花を豊かに咲かせることから富貴の象徴として、宋時代以降、文様として盛んに描かれるようになった。外面には、涙痕(るいこん)と呼ばれる釉溜まりがあり、これも定窯の見所の一つとなっている。
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