薄く、柔らかい素材と平面的な形状が特徴。バンドと呼ばれたのは、乳房を押し上げるのではなく、平にするために使われたからである。「ギャルソンヌ」(フランス語「男の子」を女性形にした合成語)と呼ばれた当時の活動的な新しい女性達の、女性らしい体の線を消すためのファッションに呼応している。20世紀のファッションは新しい方向へと歩み始めた。長い間女性たちの体を締め続け、同時に胸を支え、乳房の女性らしさを強調する役目を果たしてきたコルセットは、第一次大戦後には完全に捨て去られた。それによって新たな下着、ブラジャーが登場したのである。日本に初めて入ってきたブラジャーは、このタイプのもので「乳バンド」などと呼ばれた。