国宝 加茂岩倉遺跡は、雲南市加茂町大字岩倉字南ヶ迴、人里離れた山の斜面にあります。1996年10月14日、農道工事中に史上最多となる39個もの銅鐸が発見されました。工事関係者から発見の第一報を受け、考古学者が現地に駆けつけた時には、ほとんどの銅鐸が土から掘り出されていましたが、埋められたままの銅鐸と、埋められていたあななどの痕跡がわずかに残されていたことから、銅鐸の埋納について知る重要な手がかりを得ることができたのでした。また、銅鐸を詳しく調べることによって、「兄弟銅鐸」とも呼ぶ同じ鋳型で作った同笵銅鐸が加茂岩倉出土品のなかだけでなく、近畿・四国などひろく西日本に広がっていることが分かりました。銅鐸の製作地を巡っては、これまでに知られていなかっためずらしい文様があることから、出雲あるいはその周辺でつくられた可能性も考えられています。加茂岩倉銅鐸は、古代出雲の歴史解明のみにとどまらず、弥生時代の青銅器研究にも大きく寄与するものと期待されます。