類例の少ない作品である。本体を象の形に作り、背に6本の筒型のロウソク立てを備えている。台座は長方形で、台座の周りには蓮弁を巡らせている。象の体には様々な飾りが取り付けられ、背には丸いカーペットの敷物が敷かれている。白磁は6世紀後半、河南省鞏義窯や、河北省邢窯で本格的に生産が始まったが、その完成は8世紀後半である。この作品の年代は蓮弁の様式や造形、白磁の釉溜まりなどからみて、唐時代前期、7世紀後半の作と考えられる。象の姿、台座、ロウソク立てに巡らされた蓮弁など、仏教的要素が強く感じられる作品である。