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元時代、14世紀芳香を放つ梔子の花を見込の全面に表し、その上に二羽の連雀が飛び交う様子が彫り表されている。草花に鳥を二羽配する図柄は宋時代以来好まれた、吉祥性にあふれた意匠で、現存する同時代の類品のなかでも最も優れた作の一つであろう。箱蓋表には「剔紅御盆 大」と墨書がある。堆朱が古くは剔紅と呼ばれていたことが分かり、『君台観左右帳記』や室町時代の彫漆の分類呼称が伝わる点でも貴重である。
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