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『小河御所并東山殿御餝図』に、焼成が悪くてひびが入ったのに「定州ひゞき」と称して疵を隠すことがあったという。本作は釉や焼成にむらがあって、貫入があり、この記述を髣髴とさせる。この香炉は、砧青磁の完璧なまでの造形や焼成に比べ、いくぶん粗雑なところが16世紀後半のわび茶の湯時代に名物として賞翫されたのであって、15世紀の書院茶の湯時代にはあまり高い価値を認められなかったかもしれない。徳川家康(駿府御分物)―尾張家初代義直と伝来した。
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