本作品は、現存するフェルメールの作品のうち最大かつ最も初期のものであり、聖書の主題を扱った唯一の作品としても知られています。『ルカによる福音書』では、キリストがこの姉妹を訪問した話が描かれています。キリストは、家事に専念していたマルタではなく、座って教えに耳を傾けるマリアの意欲を賞賛しました。影と光を強調した表現、それぞれの人物の特徴付け、そして絵の具を幅広く塗った技法などは、おそらくカラヴァッジオの作風に影響を受けたユトレヒトの画家たちの作品から着想を得たのでしょう。他の作品にはないサイズや主題から察するに、特別な依頼を受けて作成したものであったのものと思われます。