仙がい義梵は江戸時代後期の禅僧で、博多聖福寺の第123世住持です。仙がいは明るく、機知とユーモアに満ちた禅機画や庶民の姿を描いたことで知られます。禅宗では単純な円形をもって、仏性、実相など絶対の真理を表します。これを描く僧にとっては自らの悟りの境地を示すものであり、仙がいにとっても円相を描くことは、自らの悟りを突き詰める行為であったに違いありません。ところが、その円相を、こともあろうに饅頭に見立てて笑いを誘います。絶対の真理や自らの悟りにも拘泥しない仙がいのスケールの大きさが窺われる代表作です。