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寒山拾得図縁頭 越前大橡長常

一宮長常18th Century

京都国立博物館

京都国立博物館
京都市, 日本

 刀剣はその着用にあたり、刃身を納める鞘や持ち手となる柄をはじめ、様々な部品を必要とし、これらをまとめたものを「拵(こしらえ)」と呼ぶ。優れた刀剣の産地周辺には、刀剣を飾り、実用に供すために欠かせない刀装具の工人が自然と参集した。平安時代以降、多くの刀工が居住し、数々の名刀を生み出してきた京都も例外ではなく、もともと神社仏閣の金具を製作してきた錺師(かざりし)の技術体系などを受け継ぎ、高い技術を持った刀装具の工人が多く生まれた。
 一宮長常(いちのみやながつね)(1721~86)は江戸の横谷宗珉(よこやそうみん)(1670~1733)と並び称される京都の名工。円丸山応挙(まるやまおうきょ)の師である石田幽汀(いしだゆうてい)に画技を学んだ長常の作品は、彫金技法の巧みさのみならず、基礎となる図案の構図と描写力がに抜群であり、華やかで洒脱な都の空気の体現者と言える。本格的な絵師に師事した長常は、自作に用いた図案をまとめたデザイン帳(「夏雄大鑑補講一宮長常彫物画帳」東京国立博物館所蔵)を遺しており、本品の下図もそこに所載されている。と銀を4対1の割合で混合した四分一(しぶいち)(朧銀)の本体に、得意の片切彫で図案を忠実に再現する手並みは鮮やかで、鏨の運びにいささかの迷いもない。

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  • タイトル: 寒山拾得図縁頭 越前大橡長常
  • 作成者: 一宮長常
  • 日付: 18th Century
  • タイプ: 、鋳造、鍛造
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