前身頃にボーンが格子状に挿入されたバスト・ボディス。極端に胸を前に押し出し、バストが一つに見えるこの形状は、「モノボゾムMonobosom(monoは〈単一〉、bosomは〈胸〉の意)」と呼ばれた。1910年代初めのコルセットは、上辺をほぼアンダーバストの位置まで下げて着装する形状となり、バスト部には本品のようなボディスが着装された。当時のモンゴメリー・ウォード社やシアーズ・ローバック社の通信販売カタログでは'bust supporter’、 'bust extender’などと呼ばれ、スレンダーな女性がより豊かな胸を形成するためと宣伝されている。
スピレラ社は1904年にコルセット・メーカーとしてアメリカで創業し、イギリス及びスエーデンにも拠点を持っていた。創業前に柔軟で折れにくいコルセット用ボーンで特許を取得している。