上半身に付ける一種の胴衣であるコルセットは、下着用に使われる簡素なものと、室内でのくつろぎ用の装飾を施したものがあり、後者には袖付きのものもあった。
フランスでは中世以来、それぞれ専門の同業組合が結成され、厳しく専門性が守られており、衣服の仕立ては男性の仕事だった。しかし、1675年に女性が服作りに携わる資格を与えられ(ディドロの『百科全書』)、女性の仕立師(クチュリエール)も登場するが、鯨骨などの硬い材質を縫い込むための力を必要としていたコルセットの製造は、男性仕立師(タイユール)に限られていた。