テキスタイルの美しさが印象的なバッスル・スタイルのドレス。織り出された花模様は小菊のようにも見える。ジャポニスムが広がっていたフランスでは菊は流行の花だった。ボディスやバッスルに繰り返し用いられたフリンジや、スカートの細かいプリーツ飾りなど、繊細な装飾が多用されている。
パリ・オートクチュールの顧客にはアメリカの富裕な女性たちが名をつらねていた。なかでも人気だったデザイナーはウォルトとパンガ。定期的にパリで服を注文したアメリカの富豪の女性たちは、数多くの高級オートクチュールをアメリカに持ち帰った。