合成染料に特有の鮮やかさを持った青色のドレス。イギリスの化学者ウィリアム・パーキン(1838-1907)が1856年に発明したアニリン染料をきっかけに、合成染料の鮮やかな色彩は人々の心をとらえ、19世紀後半、高級なオートクチュールからより一般的なモードにまで急速に広がっていく。青色はリヨン・ブルーやアルカリ・ブルー、合成インディゴなど多種の合成染料が生み出された。
ルノワールは《パリジェンヌ》(1874年)で、この青とよく似た色のドレスを着たモデルを描いている。マネ、モネ、ティソら色彩を新しい視点で捉えようとした画家たちも、それまでには見られなかった新しい色彩のモードを生き生きと表現している。