シャネル作品を代表する1920年代の膝丈カーディガン・アンサンブル。シンプルな形態、モノトーンの色彩は、前時代とはうって変わって禁欲的なまでに装飾を排除している。華やかなアクセントになっているのはコサージュである。この時期のコサージュは、カメリアではなく白黒のカーネーション。16年、シャネルは主に下着用素材であったジャージーのカーディガン・スーツを提案する。着やすく、動きを妨げない伸縮する素材、短いスカート丈、簡素化された機能美は、社会で活躍する女性に愛され21世紀の今日まで、女性服の基本型となったのである