1980年代のファッションを牽引した、アライアのボディ・コンシャスなドレス。伸縮性の高いジャージーが身体を彫塑し、ミニ・スカートが脚を露出する。着用者のセクシーな身体を前提条件とする彼の服は、多くの女性たちをエクササイズに駆り立てた。
チュニジア出身のアライアは、ディオール、ギ・ラロッシュなどのメゾンで働いた後、パリで自らのブランドを立ち上げた。80年代初頭、急激に進化したストレッチ素材を多用しながら、独自の裁断を駆使して、色も装飾も削ぎ落とした、第二の皮膚のような服でボディ・コンシャスなファッションをリードした。90年代に入ってパリ・コレクションへの参加を中止したが、21世紀の今なお、短期的な流行や大量生産から距離を置いた職人的な服作りから生まれる、身体美を際立たせつつも活動性を妨げない彼の服は、高く評価されている。