ヴォリューム感あるフラウンスの波が躍動的なフォルムを作り出している。帯状のナイロン・ネットを螺旋状に縫い重ねて巨大な円を作り、それを二つ組み合わせた独自の構造が立野らしい。
1980年にロンドンに移住した立野は独学でファッションを学び、既成の素材や裁断に捉われることなく、独自の方法で服作りに挑んできた。1983年開始の「カルチャー・ショック」を経て、「コージ・タツノ」(1990-94年)でパリ・コレクションに参加。プレタポルテに携わりつつも、一点もの、アート志向の服を発表した。2003年からは、「グレ」のプレタポルテ・ラインを担当したこともある。
本品は、96年の映画『ピーター・グリーナウェイの枕草子』の主人公の衣装としても採用されている。