地模様のカヌレ織に多色の花束と毛皮柄が精巧に織りだされた見事なテキスタイル。
精巧なカヌレ織りだけでなく、シェニールやシルク・フロス、撚糸などの多様な糸を絵模様に使用して複雑な織柄を表したテキスタイルは、その質の高さとデザインで名声を誇ったフランスのリヨン製絹織物の技巧の高さを示している。本品は、オーベルカンプ夫人が、1775年、王妃マリー=アントワネットに拝謁したときに着用したものとされている。尚、彼女の夫はパリ近郊ジュイ=アン=ジョザスで近代プリント産業の祖を築いたクリストフ・オーベルカンプである。