1960年代を特徴づける、不織布製の「ペーパー・ドレス」。明快な形態、ミニ丈、グラフィカルなプリントなど、この時代の流行の要素が織りこまれた、アメリカ製の安価な使い捨ての服である。
ペーパー・ドレスは、使い捨てを標榜した60年代の大量消費社会を象徴する服である。そこにプリントされているのはキャンベル・スープ缶。言うもでもなくポップ・アートの旗手、アンディ・ウォーホルが作品に採りあげ、広く氾濫したコピー・アートのドレス版である。そのウォーホルも66年に「バナナ・ドレス」「フラジール・ドレス」などのペーパー・ドレスを制作した。