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神武天皇立像

竹内久一

東京藝術大学大学美術館

東京藝術大学大学美術館
台東区, 日本

第3回内国勧業博覧会出品作品。我が国木彫の伝統を継承する堂々たる立像だが、戦後は時代の風潮に合わず長く忘れられていた。

 開国と維新後、近代国家のイデオロギーを皇国史観に求めた明治時代にあって、神武天皇は実在した偉大な存在でなければならなかった。明治天皇を模した厳格な顔で、弓矢と刀を持ち(弓は欠損)、堂々たる体躯で大地を踏みしめるこの立像は、まさにその理念を体現した作品といえる。材質も秀逸で、胴部は太い桧の一木を2つに割って内刳りをしてから接合し、背中に若干の補正を施している。両腕に使われている別の檜は見事な正目である。彩色の痕は認められないので、作者は材質と自らの技法に全てをかけたのだろう。竹内久一は江戸に生まれ、最初は象牙彫刻を学んだが、奈良に赴いて木彫の研究をしている時にフェノロサや岡倉天心と知り合い、東京美術学校彫刻科初代教授として招聘された。仁王のような体型のこの立像からは、作者の努力もさることながら、奈良に19世紀まで脈々と受け継がれてきた仏師の伝統をうかがい知ることができる。(執筆者:薩摩雅登 出典:『芸大美術館所蔵名品展』、東京藝術大学大学美術館、1999年)

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  • タイトル: 神武天皇立像
  • 作成者: 竹内久一
  • 作者の生存期間: 1857/1916
  • 作者の国籍: 日本
  • 作成日: 1890
  • 実際のサイズ: 総高297.2 cm 像高236.0 cm
  • タイプ: 彫刻
  • 外部リンク: 東京藝術大学大学美術館
  • 媒体/技法: (檜)
東京藝術大学大学美術館

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