1694年アムステルダムで刊行されたルイケン父子作の銅版画集『人間の職業』に原図を求めることができる。女図は「扉絵」に男図は「船員図」に基づくが、いずれも原画を大幅に改変している。前者は「江漢司馬峻寫」の落款と「Sibasun.」の朱字サインが、後者は「江漢司馬峻寫」の落款と「日本における最初のユニークな人物」を意味する蘭語「Eerste Zonders in Japan Ko : 」がある。
司馬江漢(1747~1818)は江戸時代の洋風画の先駆者。はじめ狩野派に学び、鈴木春信の画風に習熟し、宋紫石に南蘋風花鳥画を学んだのち洋風画に転向。腐蝕銅版画の創製に成功し世界の地理や天文学に関する著述をおこなうなど幅広い分野で活躍している。