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瑞亀文蒔絵洋櫃

不詳Momoyama Period (late 16th century)

福岡市博物館

福岡市博物館
福岡市, 日本

東西交流のなかでヨーロッパ人に好まれ、盛んに輸出されたものに漆器がある。天文18(1549)年、フランシスコ・ザビエルが我が国にキリスト教を伝えて以後、多くの宣教師(せんきょうし)たちが来日したが、彼らは当時流行していた豪華な高台寺蒔絵(こうだいじまきえ)に魅せられ、自らデザインして京都の蒔絵師に、聖画を入れる厨子(ずし)や聖書を置く書見台(しょけんだい)などの祭具の制作を依頼した。同様に漆器の美しきに注目した東インド会社の貿易商たちは、ヨ
ーロッパで売れそうな意匠の尚品を制作するようにと発注し、貿易品としてヨーロッパへもたらした。それらは南蛮漆器と呼ばれ、その器体の表面には隙間なく花鳥や草花等の文様が埋め尽くされたものである。なかでもこのような聖物櫃がインテリアとしても人気があり、今日でもヨーロッパの各地に残っている。ところで瑞亀は中国では長生を象徴した霊獣であるが、ヨーロッパ人はそのことを知っていたであろうか。
また寛永16(1639)年に完成した鎖国体制のなかで、長崎の
出島においてオランダ一国との貿易が許されるが、ヨーロッパにおける日本の漆器の需要は衰えず、オランダ商館はヨーロッパ各地からの注文に応じ、日本の漆工師に制作させ需要に応じていた。とくに薄貝の裏面に赤や青の色を塗り、貝の輝きと相まって色鮮やかな青貝細工は長崎漆器と呼ばれ人気が高かった。
【ID Number1988B01256】参考文献:『福岡市博物館名品図録』

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  • タイトル: 瑞亀文蒔絵洋櫃
  • 作成者: 不詳
  • 日付: Momoyama Period (late 16th century)
  • 実際のサイズ: w45.7 x h24.1 x d29.5 cm
  • タイプ: 漆工
  • 外部リンク: http://museum.city.fukuoka.jp/
福岡市博物館

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