東洋風のこのドレスには、折衷主義的なポワレの特徴が強く表れている。シルエットは身体を無理に締め付けず、ゆったりとしている。
まだS字型シルエットのドレスが圧倒的な人気を誇っていた1906年、ポワレはコルセットを使わないハイ・ウエストのドレスを発表した。彼は、人工的な形態と過剰な装飾の19世紀のドレスから、自然な体の美しさを押し出した革新的な服へとファッションを大きく転換させた。コルセットがすぐに消え去ったわけではなかったが、第一次大戦後になると彼の示した新しい道筋に沿ってコルセットは完全に消えていった。