住吉祭の神輿渡御行列を描いた屏風。大きな画面を三段に区切り、上段左端の住吉社から下段の堺の町まで行列が蛇行するように続く。行列の先頭は猿田彦であるが、下段右端にその姿が見える。神官四人、毛槍10人、鉄砲5人がその後に随う。中段は社僧3人から始まり、長刀2人、そして幔幕の前を、花笠をかぶり黒衣に身を包んだアハラヤ2人が馬に乗って進む。アハラヤには住吉社に関係の深い平野庄(現在大阪市平野区内)から14、5歳の童が選ばれた。アハラヤは祓えに関する重要な役割を担ったが、寛文年間(1661~73)に途絶え、享保年間(1716~36)に再興されたという。本作は、アハラヤ再興以降の行列を描くものと見られる。