大漁で帰港する漁船が船上に揚げていた旗を大漁旗と呼びます。一説には江戸時代中期頃、漁業権を管理する網元制度ができ、それとともに大漁旗が作られるようになったとも言われています。図柄は海に関したおめでたいもの。筒描きで大胆な構図で染められた大漁旗からは、漁師たちの心意気が伝わってきます。現在では、祭りの時などの船の装飾、結婚式や出産などのお祝いにも使われています。
鳥取県米子市にある松田染物店は1702年に創業し、300年以上の歴史を持ちます。戦前までは紺屋として藍染めを行っていました。4代目か5代目が京都で修行をし、筒描きの技術を習得したと伝わっています。江戸時代、米子に染物屋は数店ありましたが、現在では松田染物店しか残っていません。現在も創業当時と変わらず、米子本通り商店街の一角で営業しています。