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駿馬図

景徐周麟賛15-16th Century

京都国立博物館

京都国立博物館
京都市, 日本

室町幕府を開いた足利尊氏(1305~58)には戦の際に騎乗する愛馬がおり、その姿は尊氏の甲冑像の中に描き込まれていたらしい。その甲冑像の馬だけを新たに写し描いたのが、この「駿馬図」である。相国寺の景徐周麟(けいじょしゅうりん)(1440~1518)の賛によると、本図を制作させたのは時の将軍・義澄(1480~1511)であり、つねにこれを身近に置いて拝し、尊氏を偲んでいたという。また、本図は相国寺常徳院内に所在した聯輝軒(れんきけん)の主に贈られたことも記されているが、この聯輝軒主は伏見宮貞常親王の子・就山永崇(しゅうざんえいすう)である。おそらくはその就山の要請によって着賛することになったのだろう。さらに、図の筆者については「画工」と記すのみで明らかにはできないが、将軍から画作を命じられたことからみても、当代一流の絵師であることは動かない。抑揚のない丁寧な筆線や緻密な毛描き表現からすると、漢画系よりはむしろ大和絵系の絵師を想定してみたいところである。
 なお、景徐の賛文は彼の詩文集『翰林葫蘆集(かんりんころしゅう)』に収載されている。同集の編次はほぼ年代順になっているので、文亀元年(1501)から同3年(1503)の間の着賛とわかる。

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