六曲一隻の屛風で右から「隠元」「竜胆」「白梅に紅白椿」「紅白の萩」「笹に鉄線」「蔦」の各図を配する。右の3図では絵を右寄りに描き、左の3図は左寄りに描いており、左右対称となるように配慮されている。いずれの絵も淡彩を用い、余白を生かして柔らかな描線で描かれており、琳派らしい装飾性に富んだ優雅な作品となっている。「宗雪」の印章を各扇に押すが、作風は相説の特色をそなえている。相説も一時期「宗雪」印を使用したことから相説あるいはその周辺の画家の手になると考えられる。喜多川相説は、宗達、宗雪のあと、17世紀後半に活躍した画家で、草花図を主体に描き、光琳をはじめ後の琳派の画家たちの草花図に大きな影響を与えた画家である。