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邸内邸外図屏風

長谷川等学Momoyama Period (early 17th century)

福岡市博物館

福岡市博物館
福岡市, 日本

若松や桜が植えられた中庭をはさんで、邸宅の一角を外からの視線(向かって右隻)と内からの視線(左隻)で描き分けためずらしい図様の作品。江戸時代初期に流行した風俗画のうち、室内や庭先での男女の遊興のさまを描いた屏風などと画面設定は類似するが、主人公である人物がひとりも描かれていない点で特異な画面となっている。おそらくは、衣桁に掛けられた衣裳や生活用具といったモチーフだけを描き、画面には描かれない不在の人物を暗示する「誰ヵ袖図屏風(たがそでずびょうぶ)」と近い発想であろう。内側からと外側からの視線によって男女の恋愛を暗示しているのかもしれない。落款や印章はないが、幾何学的な構図や雲の形態、金色を中心とした色彩における比較から、桃山絵画の巨匠で国宝「松林図屏風(まつばやしずびょうぶ)」や「智積院(ちしゃくいん)障壁画」で知られる長谷川等伯(はせがわとうはく)(1539~1610)の娘婿とされる長谷川等学(とうがく)(?~1623)が、慶長10年代に描いたものと考えられる。狩野派の風俗画に対抗して新しい様式を模索していた等学が、暗示的な手法によって鑑賞者が作品を読みとり空想を楽しむことのできる新しい装飾画を試みた意欲作といえるだろう。
【ID Number1998B00233-244】参考文献:『福岡市博物館名品図録』

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  • タイトル: 邸内邸外図屏風
  • 作成者: 長谷川等学
  • 日付: Momoyama Period (early 17th century)
  • 実際のサイズ: w326 x h154.5 cm(Each Painting)
  • タイプ: 絵画
  • 外部リンク: http://museum.city.fukuoka.jp/
福岡市博物館

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