打ち延ばし広げた地鉄の真ん中に、鏨(たがね)を入れて二つに折返し、約1300℃に沸かして鍛接します。一枚に延ばす〜折り返す〜一枚に延ばす〜折り返す〜一枚に延ばす、という作業を縦横それぞれ十数回ほど繰り返し、皮鉄(かわがね)と心鉄(しんがね)を作ります。この作業によって、不純物や余分な炭素などを追い出し、幾層にも及ぶ均質で強い鋼へと仕上げられてゆきます。何やら人間の鍛錬にも通じるような話です。このあと練り上げて適材となった地鉄を組み合わせ、鍛接して打ち延ばすと、刀の形が生まれてきます。これを造り込みといいます。