民族衣装 -Ethnic-
ヨーロッパのファッションは、歴史上たびたび、そのインスピレーションをオリエントなどヨーロッパ以外の文化から引用してきた。18世紀後半、中国からシノワズリー、19世紀後半、日本からのジャポニズムがその代表的な事例である。ポール・ポワレ、マドレーヌ・ヴィオネなど20世紀初頭を代表とするオートクチュールデザイナーたちも、多くのアイデアをそれらから発想している。ストリートにおいては、60年代後半のヒッピームーブメントの若者たちが注目したのがZENなどの欧米以外の文化だった。そのため1970年代、若者たちを中心にエスニック・フォークロア・ファッションが注目された。またパリファッションの中心がプレタポルテへ移行していく中、プレタポルテデザイナーたちのアイデアの多くもそれらから発想された。