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文殊菩薩の住む清涼山。露の落ちる音さえ響く深山幽谷。この山にかかる石の橋。橋の向こうは文殊浄土。 橋を渡ろうとした寂昭法師を童子が呼び止め「この橋は幅も狭く、苔むして滑りやすく、しかも下は千丈の谷。とても人間が渡れるものではない。しばらくお 待ちなさい。」と告げて、姿を消した。やがて、文殊菩薩に仕える獅子が出現し、咲き匂う紅白の牡丹に戯れ、天下泰平、千秋万歳を祝って舞い納める。 万物静まりかえった、深山に、躍り出た獅子の舞。 有名な能の一場面である。
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